
傷や火傷の治療には『消毒しない』『乾かさない』この二点が大事!!
昔、転んだりちょっとした傷の時は親に通称:赤チンを塗ってもらったことはありませんか?
消毒薬は他にもあって、【ヨードチンキ】、【イソジン】、【クロヘルキシジン】など身近にたくさんあります。
しかし、これら消毒薬の殺菌力は細菌にだけ効果があるのではなく、人間の正常な細胞まで破壊してしまうのです。
消毒薬を塗った時に痛みを感じる原因は、消毒薬が傷口の『細胞膜タンパク』を破壊するため
消毒薬にとっては、細菌の細胞膜タンパクより人間の細胞膜タンパクのほうが攻撃しやすい、という性質があります。
そして、消毒薬が細菌の細胞膜タンパクに到達するまでには細胞壁を通らなければいけませんが、人間の細胞には細胞壁がなくダイレクトに攻撃を受けてしまうので、ダメージが大きくなります。
《消毒薬が細菌を殺すメカニズム》
消毒薬は細菌のタンパク質を破壊することによって細菌を殺す。
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化学作用や物理作用によって細胞膜のタンパク質を変性させて細菌の生命維持を出来なくさせてしまう。
【ただし、このメカニズムには弱点があって、消毒薬は細菌のタンパク質だけでなく、人間の細胞膜に含まれるタンパク質まで攻撃してしまうところ。】
そこで、みなさんには家庭で出来る『湿潤療法』を伝授したいと思います。
傷口から出るジュクジュク液の分泌(傷を治すための細胞成長因子)を止めないこと
【極意その1】傷口の洗浄は水道水で洗い流す!
傷についた泥や汚れは水道水でジャージャー洗い流します。
血が出ている場合は、清潔なタオルで水気を拭き取り血が止まるまで手で押さえます。
《これだけでかなりの数の細菌が減り、化膿するのを防げる》
【極意その2】乾燥させないこと!
市販のハイドロコロイド素材の絆創膏を貼る、もしくはワセリンを塗って食品用ラップで患部を覆います。
《湿潤状態を保つことが大事》
【極意その3】市販の湿潤絆創膏を貼る!
《ハイドロコロイド素材の絆創膏=BAND-AID、キズパワーパッド》
《アルギン酸絆創膏=BAND-AID、プラスモイスト》
上記の絆創膏を貼ったり(小さな傷の場合、水で洗い流した後に絆創膏を貼るだけでOK)、医療用テープで動かないようにラップを留めます。
固定する場合は、ラップの上から包帯を巻きます。
湿潤状態を保つと、怪我や火傷の傷は痛まず綺麗に治ります。
この【極意1~3】を通常1日に1回行います。
暑い季節は1日2~3回交換するといいでしょう。
交換する前に傷口周辺を洗います。入浴もOKです。
これで、つるつるの皮膚が再生したら終わりになります(^^)
最後に、傷口に使ってはいけないものや悪化させる薬剤を紹介します。
【使ってはいけないもの】
殺菌・消毒薬
《エタノール(アルコール)・マーキュロクロム・ポピドンヨード・オキシドール》
消毒薬入りの軟膏・クリーム
《ゲーベンクリーム・オロナイン》
傷を乾かすスプレー
《キズドライ・キズパウダースプレー》
【悪化させるもの】
殺菌・消毒薬
病院で処方されるもの:ポピドンヨード(イソジン)
家庭用市販のもの:ポピドンヨード(イソジン・イソジンうがい薬)、クロルヘキシジン(マキロン)、ヨーチン(ヨードチンキ)
消毒薬入り軟膏・殺菌剤入り軟膏
病院で処方されるもの:ポピドンヨード含有軟膏(イソジンゲル・カデックス軟膏)、スルファジアジン銀含有軟膏(ゲーベンクリーム)
家庭用市販のもの:クロルヘキシジン含有軟膏(オロナインH軟膏・トフメルA)
熱傷・皮膚潰瘍治療薬
病院で処方されるもの:トレチノイントコフェリル含有軟膏(オルセノン軟膏)、ブクラデシンナトリウム含有軟膏(アクトシン軟膏)、混合死菌製剤軟膏(エキザルベ軟膏)
その他
病院で処方されるもの:亜鉛華軟膏、アクリノール
家庭用市販のもの:イソプロピルメチルフェノール含有治療薬(新キズドライ)、セチルピリジニウム塩化物水和物含有治療薬(キズアワワ)、アクリノール含有ガーゼ(リバガーゼ)
安易に消毒薬を使うことは、身体にもお財布にも優しくないということですね!
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